改正パートタイム労働法

改正パートタイム労働法とは

 パートタイムで働く人は多いですね。ことに、スーパーマーケットや外食産業では、正社員よりもパートタイムで働く人たちが多いのが実態。その他の業種でも、パートタイム労働者は増え続けています。
 「パート」は切り分けを意味します。パートタイムは、切り分けた時間です。パート労働法によれば、パートタイム労働者とは、「1週間の所定労働時間が、同じ会社の正社員より短い人」のことと規定しています。その目安として週35時間未満の労働者を、主にパートタイム労働者と称しています。家庭の事情などで、何らかの理由で働くことの出来る時間や曜日が限られていたり、本業の傍らに仕事をする人たちが選ぶ雇用のスタイルがパートタイム労働なんです。ところが、ある統計によると、仕事内容が正社員とほとんど同じパートタイム労働者も多くなっているとのこと。  こうした時代の変化背景を踏まえつつ、パートタイム労働法が改正されました。少子高齢化で、労働力減少していく社会にあって、パートタイム労働者がその能力をより一層有効に発揮することができるよう、雇用環境を整備する必要があったのです。
 平成20年4月1日から、改正パートタイム労働法が施工されています。いくつか改正された点がありますが、主な改正ポイントは12条と8条の2つです。
 <改正法第12条>・パートタイム労働者から通常の労働者へ転換するチャンスをととのえてください。  <改正法第8条>・退職までの長期にわたる働き人たちが通常の労働者と同じ状態のパートタイム労働者については、すべての待遇についてパートタイム労働者であることを理由に差別的に取り扱うことが禁止されます。  詳細はさまざまありますが、以下のように要約できます。  1.パートタイム労働者の雇用管理の改善などのための基本的な考え方は、労働者保護法令を守るとともに、就業の実態、正社員との均衡などを考慮して処遇するというもの。
 2.パートタイム労働者から正社員へ転換するための条件の整備に努めること。
 3.パートタイム労働者の職務の内容、意欲、能力、経験、成果などに応じた処遇についての措置を講ずるように努めること。
 4.労使の話合いを促進する次の措置を実施するよう努めること。

就業期間や時間が正社員と異なるだけでパートタイムで働く人達が、かけがえの無い戦力であることを法律面からも認められたということでしょう。




子育てタクシー

 パートタイムは戦力ですが、実際にかかわっているのは、子供を持った母親の世代ではないでしょうか。
 子育てタクシーと呼ばれるタクシーを知ってますか。「タクシーが、もっと身近に・もっと親切に・もっと子育てに理解があれば、子育て中の親の悩みの一部でも解消することが出来るのではないか」というコンセプトから生まれた、「子育てを支援するためのタクシー」のこと。2004年7月、香川県のNPO法人「わははネット」が発案し、高松市内の花園タクシーが試験運行したのはじまりでした。
 子育てタクシーは、次のことを趣旨として運営されています。
 「子育て中の親(主に母親)が育児に行き詰まった時や、密室育児傾向にあるときに、電話一本で送迎用のタクシーと子育て情報を得ることができる」
 「働く親への支援として、子ども一人での送迎(保育園や習い事など)にも子どもの目線にたったサービスを提供する」

 タクシーは、いつでも道路を走っています。目の前を走っている普通のタクシーを利用して、子育てを支援するとは、すばらしいアイデアといえます。このアイデアは、平成17年度の「交通バリアフリー優秀大賞(交通エコロジーモビリティー財団:国土交通省外郭団体)」をいう賞さえ受賞しています。
 さて、子育てタクシーは、具体的には次の4つのサービスを提供しています。
・かんがるーコース: 乳幼児と保護者が同乗する
・ひよこコース  : お子さんが1人で乗る
・ふくろうコース : 急なトラブル・夜中の移動など、その他の見えないサービス。

 大人だけなら問題がない出来事も、小さな子供がいると、上手に解決できないことも多いもの。ひよこコースやふくろうコースは、近所にあればものすごく便利なサービスです。面白いというか特徴的なのは「見えないサービス」というサービスでしょう。これは、出産直前の妊婦さんの移動についても応対しているサービスなんです。「子供に関するサービス」というものを幅広く柔軟に捉えているからこそ、できることだと思います。

 おばあちゃんのところに預けたお子さんを、タクシーで迎えにいくといったことはありがちなこと。そんな場合、子育てタクシーのドライバーは、相手先に対して身分を明確にしてからお子さんをタクシーに乗せます。子供が一人だけで乗るときでも、子供の不安を取り除くよう、気軽に話しかけるなどの配慮がなされます。こうしたは、保護者やお子さんの不安を取り除くという視点で行っているのです。
 小さなアイデアかはら始まった子育てタクシーは、賛同者が増えていきます。「全国子育てタクシー協会http://kosodate-taxi.com/」も設立されました。
 ところで、タクシーであれば誰もが子育てタクシーを名乗れるのでしょうか。そうではありません。子育てタクシーを名乗るには、この協会に加盟した上で、ドライバーは「子育てタクシードライバー養成講座」を受講していなければいけません。「子育てタクシードライバー」として養成を受けた人が運転をするので、安心してお子さんを任せられるのがうれしいですね。タクシーは年々サービスが向上しているとされていますが、子供に対して配慮に欠ける運転手がいるのも現実です。子育てタクシーが、もっと広がると、パートにも安心して出られるというものです。。